~動線分析&生産性向上のIoT製品で“普及前夜”の市場に挑む~

◆「IoT(モノのインターネット)のほとんどは、まだ実証実験止まり。技
術がツブツブで、ユーザーが求めるパッケージへの対応が遅れているのがその
要因」-ライフラボラトリ(仙台市)の鈴木和浩社長は、IoT最前線をそう
説明する。“普及前夜”の状況下、同社はパッケージ化したIoT製品をいち
早く開発し、導入実績を積み上げている。多機能ウェアラブルセンサーとビー
コン(ブルートゥース送信機)、解析ソフトを組み合わせた動線分析&生産性
向上システムがそれ。「工場・倉庫をメーンターゲットに、流通やサービス系
の需要も掘り起こす」(鈴木社長)と、未開の市場開拓の尖兵役を務める意気
込みだ。

◆鈴木社長は長年、大手電機メーカーで通信デバイスの開発に携わってきた。
その延長線上で、2010年からウェアラブルセンサーの研究開発に従事する。
開発成果の出来栄えは十分、納得がいくものだったが、諸般の事情から事業化
は見送られてしまう。「よし、それなら、独立・起業して成果を世に問おう」
と2015年8月に同社を立ち上げる。電機メーカーが用意していたベンチャ
ー制度を活用する形で設立した。

◆加速度、ジャイロ(傾き・角度)、気圧を計測できるウェアラブルセンサー
と、棚や壁・天井に取り付けるビーコンおよび解析ソフトの組み合わせにより、
センサー装着者が、いつ、どこで、何をしたかを正確に把握できるのが同社の
IoT製品。鈴木社長は「例えば、高さ方向のデータが取れる気圧センサーに
より、工場内でかがみ込む動作が多いといった傾向まで分かる。その場合は、
モノの置き場所を上の方にすれば、作業効率の改善につながる」と具体例を挙
げる。

◆誰が、いつ、どこで、何をしたかをチェックして動線分析などにつなげたい
といった要望は、工場、倉庫をはじめ各現場に数多く在る。動作や動線を知り、
最適化、最短化を図れば生産性向上に直結するからだ。しかし、これまで、チ
ェック・分析の仕組みがほとんどなく、あっても高価なため、潜在ニーズにと
どまっていた。そんな中、低価格&高精度のチェック・分析をセールスポイン
トとする同社IoTシステムが、工場を中心に導入実績を積み重ねて、ニーズ
を顕在化させている格好だ。

◆「スーパーなど流通分野の実証実験を行った。地下街、駅、空港などのイン
ドアナビゲーションにも広げていく」。鈴木社長は自社IoTの横展開に拍車
をかけている最中で、さらに「現在、作業者やフォークリフトのデータ収集と
特徴量の分析を進めている。複数人、複数台の最適化にはAI(人工知能)が
必要なため、その取り組みも始めた」と、IoTと親和性が高いAIの利活用
にも乗り出している。IoTビジネス最前線を疾走し、新市場創造に一役も二
役も買おうとしているところである。(編集子)