~地方創生へ独自の若者定住プロジェクト展開~

◆岐阜県中津川市のタケイ電器は、地域に根ざして創業50年を迎える“まちの
電器店”だ。代表取締役は武井理氏。大手電機メーカーの後継者育成機関など
を経て26歳で父が経営する同店に勤務し、32歳になった2003年に父をガンで亡
くして以来、家業を切り盛りしてきた2代目社長だ。

◆同氏は、環境の悪化・人口減少・地方衰退問題などから社会の持続可能性に
危機感を持ち始めていたこともあり、再生可能エネルギーの普及活動を通じて
知った外務省の特設サイト「ジャパンSDGsアクションプラットフォーム」に昨
年10月応募し、掲載された。「先代の時代までは普通のまちの電器店だったが、
このままでは先細りになると考え、リフォームや家庭用太陽光発電などに取り
組み始めた。小さな会社の活動は国連の思いと一緒だった。外務省の特設サイ
トで大企業と同等に紹介されたことで、自分たちの考えが間違っていなかった
という自信に繋がった」と振り返る。

◆社長の熱意は従業員にすぐ伝わった。「従業員は、より高い意識で仕事に打
ち込んでいる。自分たちの再生可能エネルギー普及活動は、国連の目標と一致
しているという自負が営業などの説得力にも繋がっている」という。産業用太
陽光発電事業には、2012年7月にFIT法(固定価格買取制度)が始まってすぐ着
手した。一般家庭には省エネ設備を提案し、低炭素社会の実現に貢献する一方、
地方経済の衰退問題にも目を向けた。

◆「近年の東京一極集中による影響は地元中津川にも及んでいる。この窮状を
打開するためにも、ソーラーシェアリング(営農型発電)事業を通じて、持続
可能な農業を応援する仕組みをつくりたい。この仕組みは生活の根幹となる食
とエネルギーの自給自足を促すものであり、循環型社会の実現と新しい働き方
の提案につながるだろう」と地域課題の解決策を描いている。実現に向けたプ
ロジェクトは、同社が事業主体となっている中津川への移住・定住促進策「彩
プロジェクトIRODORI」。太陽光発電による売電収入で営農するソーラーシェ
アリングとIoT(モノのインターネット)技術を活用して営農者の高齢化や耕作
放棄地を復活させ、持続可能な農業を実現する事業だ。

◆中津川に若者のIターンを呼び込み、用意してあるシェアハウスに住んでもら
って、太陽光発電装置の設置工事や農業に従事する。もちろん給料も支給する。
福祉関係者と連携し、障がい者にも手伝ってもらう。観光農園の経営なども視
野に入れて進める方針だ。「これらの取り組みはすべて中津川の地方創生につ
ながる。将来はビジネスモデル化して、他の地域と持続可能な地方ネットワー
クを形成していく。このビジネスモデルで成長した地域同士がさらに連携して
相乗効果を上げることが理想だ」という。(編集子)