~クラウドファンディングで業績回復~

◆ECOMAP(沖縄県那覇市)は、沖縄の山野に群生する「月桃」と呼ばれるショ
ウガ科の植物のエキスを活用した保湿ジェル、ローション、石鹸などの化粧品
や生活雑貨を製造・販売している。2007年7月の設立以来、全国の生活協同組合
などへの卸売りを主力に展開してきた。近年は、北大東島で採掘される鉱物
「ドロマイト」などを活用した農業資材として、除菌剤などの開発にも注力し
ている。

◆同社は、一昨年の春から中国企業との取引を念頭に事業の大幅な転換を検討
していた。経費が増大していた生協を対象とする事業を縮小する代わりに、新
たに開発していた農業資材を一昨年末から中国に輸出する予定だったが、コロ
ナの影響ですべてストップした。国内の卸先からの取引中止も相次いで売り上
げが激減した。卸売から一般販売への転換を準備していた時期だっただけに、
大打撃を被った。昨年1月から3月までの売上高は前年比で60%も減少し、倒産
の危機に瀕していた。

◆同社は、アルコール許可事業者として経済産業省の名簿にも記載されている。
11年3月に許可を得て以来、アルコールを活用した除菌剤の開発で実績を積み上
げてきた。県内でアルコール消毒液の入手が困難になり、県民生活に支障を来
たし始めていた当時でもアルコールは入手できた。

◆三輪恵美社長は「県民の感染防止に貢献すべき」との考えから、経済産業省
の「令和2年度マスク・アルコール消毒液等生産設備導入支援補助事業」を活用
して、月桃エキスを配合した高濃度エタノール消毒液を生産。昨年3月下旬に
販売を開始した。介護施設、幼稚園、小学校などに安定供給できていることな
どから、業績は順調に回復してきているという。

◆卸主体で展開してきた月桃関連商品については、予定通り、販路を一般客に
変更したが、広告費が十分に賄えない中、一般客の新規獲得は困難を極める。
この窮状を打開するため、昨年2月に中小機構沖縄事務所のクラウドファンディ
ング促進セミナーを受講したことで知った購入型クラウドファンディングを活
用。売り上げの一部を首里城復興に寄付する条件で2回実施し、ともに目標金額
の3倍超を集めて成功した。顧客が5~6倍に増加し、リピート率も上がるなど
大きな収穫を得た。

◆同社は今後、商品のバリエーションを拡大する方針。マスクかぶれ対応型ク
リームなどコロナ時代の新しい生活様式にマッチする商品を複数開発している。
新たな商品は、クラウドファンディングを積極的に活用して一般客に訴求し、
売り上げを安定的に確保する。

◆「中国には必ず進出したい」と三輪社長。「中国企業が当社の除菌剤の増産
を要請してきた。中国は、無農薬や有機栽培に強い関心を持っていると聞いて
いる。成分の効果に期待した商談だと受け止めている」と期待を込める。中国
進出を機に、アジア全域でシェアを拡大していく構想だ。(編集子)